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会社を作ろうと決めたとき、最初に迷いやすいのが「株式会社にするか、合同会社にするか」という選択です。どちらも法人として事業を行える点は同じですが、設立にかかる費用や手続き、設立後の運営ルールには違いがあります。
この記事では、起業を考えている方に向けて、株式会社と合同会社の主な違いを表で整理し、どちらを選ぶかを考えるときのポイントをまとめました。なお、本記事は2026年11月時点の情報です。
結論:重視するのが「信用・拡大」か「費用・手軽さ」かで考える
ひとことで言うと、次のように整理できます。
- 株式会社:設立費用は合同会社より高くなりますが、広く知られた会社形態で、株式による出資の受け入れや将来の事業拡大を考えている場合に選ばれやすい形です。
- 合同会社:設立時の法定費用を抑えやすく、定款の認証も不要なため手続きが比較的シンプルです。少人数で事業を始めたい場合に選ばれやすい形です。
どちらが「正解」ということはなく、事業の内容、取引先、資金調達の予定、将来の計画によって向き不向きが変わります。以下で具体的な違いを見ていきましょう。
株式会社と合同会社の基本的な違い
まずは主な違いを一覧で確認します。
| 項目 | 株式会社 | 合同会社 |
|---|---|---|
| 出資者の呼び方 | 株主 | 社員(出資者) |
| 経営する人 | 取締役(株主が選ぶ) | 原則として出資者である社員 |
| 定款の公証人認証 | 必要 | 不要 |
| 役員の任期 | あり(原則2年、非公開会社は定款で最長10年まで伸長可) | 任期の定めなし |
| 決算公告 | 必要 | 不要 |
| 株式の発行による資金調達 | できる | できない |
株式会社は「出資する人(株主)」と「経営する人(取締役)」を分けられる仕組みです。一方、合同会社は持分会社の一種で、出資者自身が経営にあたるのが基本です。そのため、合同会社は社内のルールを定款で柔軟に決めやすい形とされています。
設立にかかる法定費用の違い
設立時に必ずかかる費用(法定費用)は、合同会社のほうが少なく済みます。主な項目は次のとおりです。
| 費用の項目 | 株式会社 | 合同会社 |
|---|---|---|
| 登録免許税 | 資本金の額の1,000分の7(15万円に満たない場合は15万円) | 資本金の額の1,000分の7(6万円に満たない場合は6万円) |
| 定款認証の手数料 | 資本金の額等により3万円・4万円・5万円(条件を満たせば1万5,000円) | 不要 |
| 定款に貼る収入印紙(紙の定款の場合) | 4万円 | 4万円 |
株式会社の定款認証手数料は、資本金の額等が100万円未満なら3万円、100万円以上300万円未満なら4万円、それ以外は5万円です。さらに2024年12月1日からは、資本金100万円未満の株式会社で、発起人全員が個人(自然人)で3人以下であること、発起人が設立時発行株式の全部を引き受ける旨を定款に記載していること、取締役会を置かないことの3つをすべて満たす場合、手数料が1万5,000円に減額されています。
また、紙の定款には4万円の収入印紙が必要ですが、電子定款で作成した場合は収入印紙を貼る必要はありません。電子定款の作り方は「電子定款作成の流れ」で紹介しています。このほか、定款の謄本代や印鑑の作成費用、各種証明書の取得費用などが別途かかります。
設立手続きの流れの違い
大まかな流れは次のとおりです。株式会社と合同会社の違いは、主に「定款認証」があるかどうかです。
- 会社の基本事項(商号・本店所在地・事業目的・資本金など)を決める
- 定款を作成する
- 株式会社のみ:公証役場で定款の認証を受ける
- 資本金を払い込む
- 法務局に設立登記を申請する
- 登記完了後、税務署などへ各種届出を行う
最初に決める項目については「会社設立前に決めるべき基本事項」で詳しくまとめています。手続きの詳細は「株式会社設立の方法」「合同会社設立の方法」もあわせてご覧ください。
定款や登記申請書などの書類を自分で用意する場合、必要事項を入力して書類を作成できるサービスを使う方法もあります。もちろん、法務局や公証役場の案内を見ながら自分で作成することも可能です。
会社設立に必要な書類を無料作成 マネーフォワード 会社設立設立後の運営で違いが出るポイント
- 役員の任期と変更登記:株式会社の取締役には任期があり、原則2年です(非公開会社は定款で最長10年まで伸ばせます)。任期が満了すると、同じ人が続ける場合でも登記が必要になります。合同会社には役員の任期がありません。
- 決算公告:株式会社は、定時株主総会の後に貸借対照表などを公告する義務があります。合同会社にはこの義務がありません。
- 意思決定:株式会社は株主総会・取締役などの機関で決めるのに対し、合同会社は出資者である社員の間で決めるのが基本です。
- 形態の変更:合同会社として始めて、あとから株式会社に組織変更することもできます。ただし、そのための手続きと費用が別途かかります。
それぞれが向いているケース
株式会社が向いていることが多いケース
- 将来、外部から出資を受けたい、株式による資金調達を考えている
- 取引先や採用の場面で、広く知られた会社形態のほうが説明しやすい
- 出資者と経営者を分けたい
合同会社が向いていることが多いケース
- 一人または少人数で、設立費用を抑えて始めたい
- 当面は外部からの出資を受ける予定がない
- 役員の任期管理や決算公告の手間を減らしたい
選ぶときの注意点
- 費用の安さだけで決めず、取引先の考え方や業界の慣習、将来の資金調達の予定も含めて検討しましょう。
- 許認可が必要な業種では、会社形態や資本金などの要件がないか、事前に所管の窓口で確認しておくと安心です。
- 税金の面(役員報酬や法人税など)は、株式会社と合同会社で基本的な仕組みは同じですが、個別の状況で判断が分かれることがあります。
- どちらにするか迷う場合は、税理士・司法書士などの専門家にご相談ください。
まとめ
株式会社は信用や将来の資金調達の面で選ばれやすく、合同会社は設立費用を抑えやすく運営もシンプルです。法定費用は、登録免許税の最低額が株式会社15万円・合同会社6万円と差があり、株式会社には定款認証の手数料もかかります。自分の事業の計画に合わせて、無理のない形を選びましょう。
どちらの会社形態にするか決まったら、次は定款などの設立書類の準備です。書類作成サービスを利用する方法と、自分で作成する方法を比べて、進めやすいほうを選んでください。
会社設立に必要な書類を無料作成 マネーフォワード 会社設立参考:
国税庁「No.7191 登録免許税の税額表」
国税庁「No.7141 印紙税額の一覧表(第5号文書から第20号文書まで)」
日本公証人連合会「定款認証」
日本公証人連合会「会社の定款認証手数料の改定」


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